建築に関わる行事とは?家を建てる際に必要なことをご紹介!
家を建てる際、日本ではさまざまな儀式を行います。建築における三大儀式として呼ばれるのは、地鎮祭、上棟式、竣工式の3つです。言葉自体は聞いたことがあっても、どういったことをするのか知らない方も多いのではないでしょうか。本記事では、家を建てる際に実施する三大儀式について紹介します。
建築物を建てる際に行う地鎮祭
三大儀式の中で最初に実施されるのが地鎮祭です。地鎮祭は工事の着工時に実施され、土地の神様を鎮めて工事の安全を祈念します。縁起のよい日を選び、神主を招いて執り行うのが一般的です。地鎮祭を執り行う祭場は、土地の四隅に青竹を立ててしめ縄で囲みます。儀式の参加者は施主とその家族や工事関係者です。
地鎮祭の流れ
紹介するのは、神式での一般的な流れです。手水の儀にて手と口を水で清めたのち、神主の開式の辞により地鎮祭が始まります。神主によってお供え物と参列者の祓い清めである修祓(しゅばつ)が行われ、降神の儀で神様が招かれます。酒を入れる瓶子と水を入れる水器の蓋を開けて神様にお供え物を捧げる献饌(けんせん)の後に行うのが、安全祈願の祝詞奏上(のりとそうじょう)です。
続いて、土地を祓い清める四方祓(しほうはらい)を行うと、地鎮祭のメインイベントともいえる地鎮の儀に入ります。施主も参加して祭壇のそばの盛り砂にくわを入れて崩すため、くわ入れの儀とも呼ばれるものです。祭壇に玉串を捧げる玉串奉奠(たまぐしほうてん)が終わったら、開けた蓋を戻してお供え物を下げる撤饌(てっせん)を行い、昇神の儀で神様を送り返します。
最後に新酒拝戴(しんしゅはいたい)を行い、関係者でお神酒を分けて献杯して閉会です。地鎮祭は全体で1時間程度です。地鎮祭後は、工事中に発生する騒音・振動のお詫びや工事の説明のために近隣へのあいさつ回りを行います。建築会社の担当者のみで行う場合もあれば、施主が同行する場合もあります。
地鎮祭の費用
神主に支払う謝礼の相場は2~3万円程度といわれています。このほかに費用がかかるものとしては、地鎮祭で使用するお供え物や地鎮祭後の近隣へのあいさつ回りで渡す粗品があります。
お神酒などのお供え物については、建築会社の負担で用意してもらえる場合もあります。金額については地域差などによって違いがありますので、建築会社に事前確認をするとよいでしょう。
家の骨組みが完成した際に行う上棟式
三大儀式の2つ目の上棟式は、住宅の骨組みが完成したときに実施します。基礎工事を終えて柱や梁を組み上げ、棟木と呼ばれる木材を架けた状態を「棟上げ」といい、住宅の骨組みが作りあがった状態になります。棟上げを迎えた段階で、ここまでの工事の無事な進行に感謝するとともに、無事に工事が完了することを祈願する儀式が上棟式です。
なお、棟上げという工程は木造在来工法にしかなく、2×4工法やプレハブ工法で建築する場合には工程自体がありません。儀式の参加者は、施主とその家族や現場監督・大工といった工事関係者です。
上棟式の流れ
上棟式の当日は朝から骨組みの組み上げ作業に入り、棟上げが終わったら上棟式を開始します。以前は上棟式についても神主を呼んで執り行っていましたが、最近では棟梁や現場監督などが代わって執り行う略式での上棟式が増えているようです。
それでは、略式での一般的な流れを紹介しましょう。上棟式では、まず棟木や祭壇に棟梁が御幣や棟札を飾ります。続いて、家の四隅に酒や米、塩などをまくのが四方固めの儀です。
その後、二礼二拍手一礼を行い、施主が挨拶をして乾杯します。工事関係者を紹介して挨拶をもらったら、最後に手締めをして上棟式は終了です。棟上げ作業は朝から開始しますが、上棟式自体は1時間程度で終わります。
上棟式の費用
上棟式で使用するお供え物の費用は1万円程度です。このほかには、棟上げ作業中の差し入れや昼食、ご祝儀があります。
ただし、建築会社によってはご祝儀などを受け取らない場合もありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。関係者の人数にもよりますが、ご祝儀などを含めると費用は10万円を越えます。
建築物が完成した際に行う竣工式
三大儀式の最後が竣工式です。完成した住宅を施主に引き渡した段階で、神主を招いて完成を祝うとともに、その住宅で暮らす方の今後の安全と繁栄を祈ります。施主とその家族や工事関係者に加え、一般招待者なども招いて大々的に開催します。実際には、通常の住宅で竣工式を行うことはあまりなく、おもに執り行うのは企業の建築物が完成した場合です。
竣工式の流れ
一般の住宅における竣工式としては、改まった儀式は執り行わず、工事関係者を新築の住宅に招いて感謝の気持ちを伝える食事会を開くことが多いようです。正式な竣工式の内容は、地鎮の儀を除いた地鎮祭の内容と基本的には同じです。
竣工式の費用
竣工式の費用は、招待する人数によって手配する会場などの費用が大きく変わるため一概にはいえません。
個人の場合、竣工披露パーティーなどの大々的な会は開かず神事としての竣工式のみを行うのであれば、ある程度の費用で実施することも可能です。たとえば、参加者12名での竣工式は12万円程度で執り行うことも可能なようです。
まとめ
建築に関わる行事として、三大儀式である地鎮祭、上棟式、竣工式について紹介しました。いずれも神事として安全や繁栄を祈願して実施されるものですが、義務ではないため実施しないケースも増えてきているようです。
一方で、地鎮祭と上棟式は工事関係者の安全祈願でもあるため、建築会社が実施を希望している場合、無理に取りやめようとすると建築会社との関係が悪化するかもしれません。
慣習や気持ちを大事にしている建築会社もあり、相性が合うかは人それぞれです。自分に合う建築会社かどうかを確認する意味でも、工事の見積もりの段階で三大儀式について確認しておくと安心でしょう。
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