住宅購入は現金とローンのどちらがよいのか?メリット・デメリットまとめ

公開日:2024/07/15  

住宅購入 現金とローン

住宅の購入は一生のうちに何度もない大きな買い物です。そのため、現金一括で支払うべきかローンを組んで支払うべきか、どちらを利用したらよいのか迷う人も多いでしょう。本記事では、現金一括購入とローンによる購入の、それぞれメリット・デメリットを紹介しつつ、どちらが有利なのかについてお伝えします。

現金で一括購入するメリット・デメリット

住宅を現金で一括購入することには、メリットとデメリットが存在します。どのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。

メリット

現金で一括購入する最大のメリットは、住宅ローンの金利負担がないことです。通常、住宅ローンを組む場合、住宅購入のための借入金として金融機関から融資を受け、その融資には金利負担が発生します。しかし、現金一括購入ではこれらの金利が発生しないため、将来的な返済にともなう金利負担がなくなります。

そして、住宅ローン手数料や保証料もかからないため、取引コストが低減します。取引コスト低減により購入時の負担が軽くなり、総支払額が削減されるのです。

また、団体信用生命保険への加入も不要となるので、支払い負担が軽減されます。さらに、現金一括購入の場合では価格交渉がしやすく、不動産価格に対する値引き交渉が成功しやすくなるのです。

一括で支払うことが前提となるため、不動産業者も円滑な取引成立を希望し、価格交渉に対する対応の柔軟性が期待できます。

デメリット

現金一括で購入する場合のデメリットは、住宅ローン控除の対象外となることです。住宅ローンを組む場合、返済額の一部が所得税から控除される制度がありますが、現金一括購入ではこの制度を活用することができません。

住宅ローンを組むメリット・デメリット

住宅ローンを活用することには、ライフプランにおいてさまざまなメリットやデメリットがあります。それぞれどのようなことが考えられるのか確認していきましょう。

メリット

住宅ローンを組むメリットとして最初にあげられるのは、高額な住宅を購入できることです。一括で支払える資金がなくても、一定の収入があれば、理想の住宅を手に入れることができます。

また、住宅ローンを活用する際の重要なメリットとして、団体信用生命保険によるリスク回避もあげられます。借入名義人が死亡や高度障害により返済不能になった場合、ローン残債が団体信用生命保険により支払われるのです。このことから、急な支払い不可能な状況に陥った場合でも、家族や遺族はローンの残債に悩まされずに安心して生活することができます。

住宅ローンを組む際の税制面のメリットも見逃せません。自己居住用の家屋を住宅ローンで購入した場合、所得税からの控除が可能です。住宅ローン控除により、返済中の金利や元本返済が一部控除され、税金の軽減が期待できます。

さらに、住宅ローンを通じて必要な資金を確保できることも大きなメリットです。毎月無理のない返済計画を立てることで、生活費や将来必要な資金を充分に確保しながら、住宅を手に入れることができます。

デメリット

住宅ローンを組むデメリットは、利息による総返済額の増加があげられます。借入金額に利息が加わり、実際に支払う返済総額が本来の住宅購入価格よりも高くなるため、返済には慎重な計画が必要です。

また、変動型金利を選択した場合、市場金利の上昇により返済額が増加するリスクもあります。金利の変動により返済計画が変わる可能性があり、将来の金利動向への注意が不可欠です。

長期間にわたる返済において、収入減少により返済が困難になる可能性も考慮しなければなりません。将来のライフプランを見据えつつ、収入の変動に対するリスクを考慮した計画が求められます。

【結論】現金とローンのどちらがよいのか

現金一括購入の魅力は、住宅ローンの金利負担がないことです。通常の住宅ローンを利用せず、一度に全額を支払うことで将来の返済にともなう金利負担コストを回避できます。

また、手続きが簡略化され、取引コストも低減されるため、スムーズで迅速な取引が可能となります。しかし、この方法には手元の預貯金が必要であるという大きな制約があります。

住宅購入により預金が減少すれば、将来の急な支出や非常時に備える手元の現金が不足する可能性があります。ライフイベント費用や医療費、急な住宅の修繕費などに備える必要がある場合、手元の資金を確保しておくことが賢明でしょう。

一方で、住宅ローンを活用する場合、収入の一部を毎月返済に充てることで、一度に多額の資金を必要とせずに住宅を購入できます。もうひとつの大きなメリットは、住宅ローン控除が受けられる期間が存在することです。自己居住用の住宅ローンの利息は一定期間、所得税から控除されるため、税制優遇を受けながら返済が可能です。

結論

現金一括購入と住宅ローンのどちらがよいのかについては、個々の家庭状況や優先事項によります。手元の預貯金が充分にあり、将来の急な支出への対策がなされている場合、現金一括購入が有利です。

その反対に、手元の資金が限られている場合や将来の返済を考慮しながら資産形成を進めたい場合は、住宅ローンの活用が適しています。総合的なライフプランや資金状況をよく考え、将来にわたって経済的な安定を確保するためにも、慎重な選択を行いましょう。

まとめ

住宅購入には現金一括か住宅ローンかの選択があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。現金一括購入のメリットは、金利負担がなく取引コストが低減することです。しかし、手元の預貯金が必要で、将来の急な支出に備える対策が不可欠となります。

一方、住宅ローンは高額な住宅も手に入れやすく、税金の控除制度が魅力です。ただし、利息や金利上昇による返済額増加や、収入減少による返済困難に対しても考慮が必要です。最終的な選択は個々のライフプランや資金状況によるため慎重に検討し、最適な選択をしましょう。

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